退職を決意したのに、増えた選択肢

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会社を辞める。

25年間勤めてきた会社を退職し、自分の店を持つ。

そう決意してから、とにかく行動してきた。

飲食店を食べ歩き、料理を研究し、物件を探し、ブログを書き、SNSで発信し、いろんな人に会って話を聞いた。

正直、独立して家族を養っていけるのか、不安がないわけじゃない。

むしろ、不安だらけだ。

だからこそ動いた。

立ち止まれば、不安に押しつぶされそうになる。

行動することで知識を増やし、少しずつ自信に変えてきた。

そして、会社の仲間にも退職する意思を伝えていた。

自分自身が逃げ道を作らないために

そんな俺に、突然思いがけない話が舞い込んできた。

突然の昇格話

支店長から、新しい仕事への選任の話をされた。

今までの支店勤務を離れ、管理職相当の立場で、安全教育や指導に携わる仕事だ。

正直、驚いた。

支店長には退職の意思を伝えていた。

だから、引き留めるための提案という意味もあるんだろう。

でも、それ以上に心が動いた。

今まで経験したことのない仕事。

新しい立場、新しい人間関係、新しい学び。

「やってみたい」

そう思ってしまった。

退職する意思は固まっていたはずなのに。

俺は何に迷っているんだ?

自分でも不思議だった。

あれほど独立すると決意していたのに、なぜ迷う?

安定した収入を失うのが怖いからか。

家族を背負って起業することへの不安なのか。

もちろん、それもある。

でも、よく考えてみると少し違った。

俺は会社が嫌で辞めるわけじゃない。

今の仕事に大きな不満があるわけでもない。

ただ、残りの人生で、自分の力がどこまで通用するのか試してみたい

だから独立を決意したんだろう。

ところが今回、会社の中でも自分の可能性を試せる機会が現れた。

俺は安定と挑戦の間で迷っていたんじゃない。

挑戦と挑戦の間で迷っていたんだ。

25年間が報われたような気がした

今回の話には、もうひとつ特別な感情があった。

自分が会社に認められたことへの喜び。

いや、少し違う。

昇格したいとか、偉くなりたいとか、そういう気持ちではない。

25年間、自分なりに考え、働いてきた。

その積み重ねを見てくれていた人がいる。

そして今、自分を必要としてくれている。

必要とされ、その期待に応えられることが嬉しかった。

今回、選任を判断する立場の人とは、まだ直接会ったことがない。

でも、以前からいろいろな話を聞いていて、価値観が合いそうな人だと感じていた。

そんな人から期待されているのなら、一緒に仕事をしてみたい。

その期待に、自分の力で応えてみたい。

そんなワクワク感があった。

何度も自分の気持ちを整理しながら、退職と昇格のどちらを選ぶべきか考えた。

その中で、チャッピーこんな言葉をもらった。

「あなたが本当に求めているのは、会社を辞めることそのものではなく、自分の可能性を試し続けられる人生なんじゃないかな。」

この言葉を読んだ瞬間、すべてがつながった気がした。

そうなんだよ。

俺は会社を辞めたいわけじゃない。

飲食店を経営することだけが人生の目的でもない。

自分の知らない世界を知りたい。

自分の力がどこまで通用するのか試したい。

失敗するかもしれない。

それでも、自分の意思で挑戦したい。

俺が求めていたのは自分の可能性を試し続けられる人生なんだ!

そして、俺が出した答え

悩んだ末、ひとつの結論を出した。

今回の仕事に挑戦してみたい。

ただし、条件がある。

50歳までの約2年間。

自分で事業を始めたいという気持ちは変わっていない。

だから、支店長にはその意思を正直に伝えた。

2年間という期限付きでも会社が必要としてくれるなら、全力で取り組みたい。

長期的な勤務が前提なら、予定どおり退職する。

そう伝えた。

そして後日、返事が来た。

今回の人事を決める立場の方からの返事は、俺を選任するとのことだった。

さらに、支店長を通じて返答のそのままの言葉を聞いた。

「私が気持ちを変えさせます」

思わず笑ってしまった。

なかなか手強そうだ。

でも、なんだか嬉しかった。

それだけ期待してくれているのなら、俺も本気で応えてみたい。

2年後の自分へ

今回の選択で、独立は約2年間先になる。

その間に、気持ちが変わる可能性だってある。

新しい仕事が面白くなり、尊敬できる人と出会い、もっと会社で挑戦したいと思うかもしれない。

それも、悪い人生ではないと思う。

でも、今の俺が2つの道を並べたら、やっぱり独立を選ぶ。

だから、この2年間をただの延期にはしない。

会社では新しい仕事に全力で取り組む。

同時に、自分の店の開業準備も続ける。

資金を蓄え、料理を磨き、経営を学び、50歳になったときに本当に選択できる自分でいたい。

2年後、どちらを選ぶのかはまだ分からない。

でも、ひとつだけ確かなことがある。

俺は、何歳になっても自分の可能性を試し続けたい。

会社員でも、経営者でも。

肩書きが何であろうと。

大切なのは、自分の人生を自分で選ぶこと。

まだまだ、知らない世界がある。

まだまだ、自分にできることがあるはずだ。

だから俺は、これからも挑戦し続ける。 

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